服薬指導が上手い人だけ使っている有名心理学テクニック5選

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患者さんに服薬指導をするとき、「上手い薬の服用方法を伝えられないなぁ」と悩むことは、薬剤師たるもの経験はあるんじゃないでしょうか。

私も新人薬剤師の頃は、患者さんに上手く服薬指導ができず、服用の重要性や薬の効果など、適切に伝える方法を模索してました。

服薬指導とは、患者さんとのコミュニケーションでありまして、ちょっとした心理学のテクニックを挟み込むだけで、患者さんの信頼を勝ち取り、反応が劇的に変ります。

私が実践してきた心理学テクニックの中で、特に効果を感じたテクニック5つをご紹介いたしますので、患者さんの反応がいまいちと感じている方は、今後の投薬に取り入れて見てください。

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ハロー効果

ハロー効果とは、ある対象を評価する際に、他の印象が影響を与えることで、評価を歪める心理効果になります。

例)ポジティブな印象を持たれるハロー効果

  • 白いキレイな白衣=「清潔感」
  • キレイな店舗=「しっかりしてそう」
  • 笑顔=「優しそう」
  • メガネ=「賢そう」

人間というのは、人・モノと向かい合う場合、それの外見や背景を知ると、「これはきっと○○何じゃないか!?」という想像・思い込みをしてしまいます。

ここで、皆さんに自己紹介をさせて頂きますが、わたくしプジキは東京大学卒の薬剤師なんです。

 

 

 

・・・すいません、ウソなんですけど、一瞬「プジキって頭良いんじゃね!?」って思いませんでしたか?『東大卒』という肩書が付くだけで、ただ「薬剤師」と紹介するより、グッと賢そうなイメージを持たれます。

これが、ハロー効果になります。

服薬指導(投薬)する場合、上記の例で出したように白衣や髪形を気を付ける、表情は笑顔を作るといった外見を良くする、または店舗全体の清潔感を良くすることで、患者さんからの評価は高まりやすいです。

 

ハロー効果を使い、あらかじめ良い評価を先入観として持ってもらうことが、その後の投薬説明を聞くスタンスを作り出します。

ちなみに、ハロー効果はネガティブな方向にも働くので、清潔感が無い、元気がない、無表情で接客、なんていう対応をすると、患者さんからの評価が悪くなる原因となるので、併せて注意しましょう。

バックトラッキング

バックトラッキングとは、「オウム返し」のことです。

例)バックトラッキングのやり方(患者⇒薬剤師)

  1. 今日は頭痛が凄くて嫌だ⇒頭痛が酷いんですね(感情確認)
  2. 血圧が125/72で先生に褒められたよ⇒125/72と良かったんですね(事実確認)
  3. 風邪で熱が高く、喉も鼻水も凄い⇒風邪の症状が酷いんですね(話の要約)

上記のように、患者さんが話した表現を用いて返答することで、患者さんは「私がいかに辛い症状なのか、この人は聞いてくれているんだ」というように思います。

オウム返しとはいえ、一言一句同じではなくて、上記例の通り、「感情確認」・「事実確認」・「話の要約」と、状況によって使い分ける必要があります。

感情確認

感情的な話の場合、その感情表現を用いて返答すればOKです。

  • 今日は待ち時間が長くて疲れちゃったよ⇒それはお疲れですね
  • 薬飲むの忘れて、先生に怒られちゃったよ⇒あぁ、怒られちゃったんですね

上記のように、患者さんが話す感情表現を引用して返答するだけです。

事実確認

これは、患者さんの意図する事実を確認してあげましょう。

例文の2での記載内容から解説すると、「血圧が125/72で先生に褒められたよ」という患者さんの言葉からは、「血圧125/72=良好」という意図が読み取れます。

そのため、薬剤師側の回答として、「125/72と良かったんですね」と、事実の確認をするという方法になります。

血圧125/72であったという内容を返答するだけでも効果はありますが、『血圧良好』という事実を加えてあげる方が、より効果的になります。

話の要約

高齢者の患者さんに多いと思いますが、一から十まで話して要点が分からない話を聞いた時に、「要はこういうことですね」という風に、内容を要約して返してあげる方法になります。

患者さんから以下のような症状説明を受けたとしましょう。

患者さん
いや~風邪を引いちゃって。昨日の夜は急に冷えちゃったからだと思うんだけど、朝起きたら喉がちょっと痛くて。でも、乾燥してるだけだと思ってたら、どんどん熱が高くなって38度超えたから、焦って病院来たのよ!病院に向かう間に、何も食べられないほど喉が痛くなってきたし、鼻水も止まらないからポケットティッシュを使い切っちゃったわ!それから・・・

このように長い話を、そのまま繰り返していると、一人の患者さんとの会話時間が長くなり、後ろで待ってる患者さんから白い目で見られるので、以下のように要約して返答します。

プジキ
なるほど~、風邪を引かれて、熱・のどの痛み、鼻の症状が酷いのですね

聞いた内容から、ポイントを押さえて返答することを意識しましょう

バックトラッキングを効果的に使う方法

バックトラッキングとは、相手の感情に関する内容をオウム返しにすることにより、理解されていると思わせる心理テクニックになります。

そのため、オウム返しの返答をする際に、声のトーン(良いことなら高く、悪いことなら低く)、表情(良いことなら笑顔、悪いことなら悲痛の顔)、感情を込めることで、より理解している感を演出することができ、患者さんからの信頼を築くことへとつながります。

バックトラッキングは、カウンセラーやコーチなどの、良い聞き手となることで相手との信頼関係を結ぶ必要がある職業でもよく使われるテクニックになるので、我々薬剤師も患者さんの良い聞き手となり、信頼関係を結ぶためにも、ぜひ習得したいテクニックです。

セルフマニュピレーション

 

セルフマニュピレーションとは、相手と話しをする際に、言動や態度によって話の印象が決まってしまう心理テクニックになります。

例えばあなたが患者だとして、次の投薬説明を受けた場合、どちらの方がより信頼を置くことができますか?

①(小声で)今日の薬はコレステロールを下げる薬が変更になってます。(目線が泳ぎながら)この薬は前の薬よりも効果があると言われていて、恐らく効くと思います。(前髪を触りながら)副作用もたぶん出ないですが、何かあれば先生に相談してみてください。

②(ハキハキと患者さんの目を見据えて)今日はコレステロールを下げる薬が変更になってます。これは、以前よりLDLコレステロールをしっかりと下げます。副作用は非常に出にくいのでご安心ください。服用して気になることがあれば、お気軽にご相談ください。

 

②の説明に信頼を置くと答える人が圧倒的だと思います。

声が震えている、小声、目線が泳ぐ、手がそわそわする、などの状態は自身無さげに見えてしまいます。一方、大きな声で話す、目をじっとみる、堂々としている、身振りが大きい、などの状態は自身タップリに見えます。

前者と後者を比較した場合、後者の方が信頼感を持たれやすくなります。

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また、言動に「~と思います」、「~のはずです」、「たぶん~」などの表現を使うことでも自身の無さが現れるので、不必要に含みを持たせる表現は避け、「~です」と言い切ることで自身があるように感じられるので、併せて気を付けましょう。

片面提示と両面提示

片面提示とは物事の片面(メリット)しか提示しないことで、両面提示とは物事の両面(メリット・デメリット)を提示することです。例を見てみましょう。

例1)片面提示

  1. 体重を減らせばコレステロールが下がります。
  2. このサプリを服用すると体の調子が良くなります。
  3. この病気は○○病院が専門です。

 

例2)両面提示

  1. ダイエットは大変ですが、体重を減らすことでコレステロールが下がります。
  2. 金額は少し高いのですが、このサプリを服用すると体の調子が良くなります。
  3. 待ち時間は長いのですが、この病気は○○病院が専門です。

このように、メリットだけ(片面提示)より、デメリットも併せて伝える(両面提示)の方が、信頼を得ることができます。メリットだけを伝えると、「何かウラがあるのでは?」と勘繰りたくなるものです。

「1日1粒飲むだけ!1カ月間で10㎏減量」なんて書いてあっても、「どうせ高いサプリ買わされて、痩せはしないんでしょ?」と、ウラに潜んでいる思惑を勘繰りたくなるものです。1日1粒飲むだけで10㎏痩せる薬とか、無いですからね。ちなみに。

患者さんに服薬指導する際に、薬の説明・生活指導を行う際に、メリットだけでなくデメリットも伝えてあげましょう。1点だけ注意したいのは、薬の副作用(デメリット)について過度に伝えることは止めましょう。両面提示の効果を得ることよりも、副作用を嫌がって薬を飲まなくなる可能性があるので、副作用への言及は注意するようにしましょう。

ザイオンス効果

ザイオンス効果とは、相手との単純な接触回数が増えるほど、好意を得やすくなる効果になります。別名、『単純接触効果』とも呼ばれます。

例えば、毎日行くコンビニにいる店員さんに対して、何度も通っていると、変な親近感を覚えたりしませんか?

人間、どうしても知らない相手には警戒心を抱きますが、合う頻度・話す頻度が高くなると親近度が増していきます。そうすると、次第に親密な関係となり、本音を引き出しやすくなり、それが信頼関係を結ぶという結果になります。

2016年から始まった「かかりつけ薬剤師」は、まさにこの効果を地でいくもので、毎回の投薬を同じ薬剤師にすれば否が応でも親近感が沸くはずなのです。この制度、ザイオンス効果という側面からはとても相性が良いですね。まぁ、診療報酬などの制度設計の仕方については疑問が沸いてますがね。

他には、患者さんが来局したときにチョット声をかける、薬局から帰るときにチョット声をかけるといった小さな積み重ねも、接触回数を増やしますので、ぜひ取り入れてみてください。

まとめ

今回は心理学では有名な5つのテクニックを、服薬指導に生かす方法を見てきました。

最初にも言いましたが、服薬指導はコミュニケーションの延長線上にあり、服用させるという目標達成のためには投薬者である自分自身に信頼をして貰うことが効果的になります。

ご紹介したテクニックは、普段私が気を付けているスキルで、慣れるまでは意識しないと難しいですが、心がけるだけで患者さんの反応が変わりますので、ぜひ取り入れてみてくださいね。(さっそく両面提示ですねw)

 

んじゃね!


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