蕁麻疹にガスター?抗ヒスタミン薬とH2(エイチツー)ブロッカー併用の適応外処方

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抗ヒスタミン薬(H1ブロッカー)とH2ブロッカーを併用する適応外処方があることを知っていますか?

とある皮膚科の処方せんを受け付けたとき、処方内容を確認すると、タリオン錠10㎎とガスター錠20㎎が処方されていました。症状は蕁麻疹による皮膚の痒みです

この患者さん、胃腸不具合のためにパリエット錠10㎎(PPI)を服用しているので、投薬担当の薬剤師はガスター中止の疑義紹介をかけるか悩んでいたので、薬剤中止の提案はするなと急いで制止。※PPIとH2ブロッカー併用確認の疑義紹介はさせましたが。。

これは、タリオン錠の胃腸障害系の副作用予防目的ではなく、蕁麻疹のような皮膚のアレルギー症状に対する抗ヒスタミン薬とH2ブロッカーの併用という、適応外処方なんです。

皮膚アレルギー症状に対する抗ヒスタミン薬とH2ブロッカー併用の狙いについて、薬理作用を踏まえてまとめてみたいと思います。

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抗ヒスタミン薬の作用機序

体内には『ヒスタミン受容体』と呼ばれる、ヒスタミンを受け取るタンパク質が存在します。このヒスタミン受容体は、H1、H2、H3、H4の4つのサブタイプに分かれています。

抗ヒスタミン薬と呼ばれる薬は、このサブタイプの中のH1受容体を遮断し、体内でヒスタミンがH1受容体と結合することを阻害する薬を指します。

抗ヒスタミン薬はH1受容体を遮断するので、H1ブロッカーと呼ぶ場合もありますが、「抗ヒス」と略しての呼び名が圧倒的に使われますね。

ヒスタミンはH1受容体と結合すると、蕁麻疹などのかゆみ、鼻水、くしゃみといった症状が出てしまいます。花粉症などのアレルギー反応ですね。

これに対してH2ブロッカーは、呼び名の通りH2受容体を遮断する薬になります。H2受容体とヒスタミンがくっつくと、胃酸が分泌されたり、平滑筋の弛緩効果をもたらします。

H1受容体とH2受容体の分布

それぞれの受容体は、体内でのメインとなる分布位置が異なります。

  • H1受容体:血管内皮細胞、中枢神経、気管支など
  • H2受容体:胃壁細胞、平滑筋、リンパ球など

で、H2受容体なんですが、血管内皮細胞(皮膚)にも一定数が分布していることが分かっております。

抗ヒスタミン薬とH2ブロッカーの併用が蕁麻疹に効く理由は?

抗ヒスタミン薬とH2ブロッカー併用により効果が出る理由として考えれれているのは、以下の3つの利用になります。

効果が見込める理由

  1. 抗ヒスタミン薬によるH1受容体遮断効果と、H2ブロッカーによるH2受容体遮断効果により、皮膚のH1・H2受容体を効率的に遮断することができる。
  2. H2ブロッカーが肝臓に作用し、抗ヒスタミン薬の薬物代謝を阻害することで、抗ヒスタミン薬の体内濃度が上昇し、効果増強を見込める。
  3. H2ブロッカーが、細胞免疫を増強する。

H1、H2受容体をダブルで遮断するのはモチロンのこと、抗ヒスタミン薬の代謝阻害によって、抗ヒスタミン薬自体の効果も増強するんですねー。

PPIとH2ブロッカーの併用は良いの?

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まず、PPIとH2ブロッカーの併用はOKです。

処方されていた患者さんですが、パリエット錠(PPI)を定常的に服用されている所に、更にH2ブロッカーを服用することになります。どちらも胃酸抑制の胃薬なので、本来であればどちらかのみで十分です。

※PPI(Proton pump inhibitor):プロトンポンプ阻害薬。胃壁細胞のプロトンポンプに作用し、H2ブロッカーよりも強力な胃酸抑制効果が期待できる。

そのため、PPIとH2ブロッカーの併用は保険適応外の処方となりますので、薬局では疑義紹介を行う必要があります。疑義紹介しておかないと、保険請求通らない地域もありますからね。

PPIとH2ブロッカーを併用するときの服用方法としては、以下のような服用方法になります。

PPIとHブロッカーの併用方法

■H2ブロッカーを1日1回(通常量は1日2回)で服用。服用タイミングはPPIとずらす。

例)昼食後にパリエット錠(PPI)を服用している場合に、ガスター(H2ブロッカー)を追加服用

⇒朝食後1回1錠 ガスターを服用

PPIとの服用タイミングをずらして服用する使い方が一般的です。

抗ヒスタミン薬とH2ブロッカーの併用ですが、蕁麻疹だけでなく、花粉症のような他のアレルギーでも使われる場合があるので、このセットはアレルギー対策の適応外処方と記憶しちゃいましょう。

 

んじゃね!


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