薬剤師スキルアップ

患者が薬局で怒りやすい理由は?│病院と薬局をセットと考えてるから

患者が薬局で怒りやすい理由は?

現役薬剤師のプジキです。

タマコ
タマコ
  • 今日も患者さんに待ち時間が長いと怒られた。怒らせないようにしたい。
  • 病院と薬局とは別なのに、なんで薬局に怒りをぶつけるのだろう。やめて欲しい。
  • 何か起こらせない方法があるなら知りたい。

 

薬剤師なら必ず一度は考えるであろう上記の疑問・悩みについて、理由と対処法を解説していきます。

かくいう自分も、この手の悩みにはぶち当たった経験があり、それを乗り越えてきました。

 

患者さんが薬局で怒る理由はシンプルで、病院と薬局をセットだと考えているから。このことを理解し、怒りのロジックを把握してからは、怒られることも激減しました。

 

♯ この記事の内容 ♯
  • 患者がなぜ薬局に怒りぶつけるのか、患者の心理的な理由を解説。
  • 怒りが起きるロジックを理解し、怒らせにくくする方法が分かる。

 

薬剤師歴が長い人は、患者が怒る理由であったり対処法を感覚的に分かっていると思いますので、答え合わせの感覚で読んでみてください。

さっそくみていきましょう!

 

治療に対する患者の認識を正しく理解しよう

発見

 

患者さんの怒りポイントを理解するうえで最も重要なのは、治療に対する患者認識を正しく理解すること。

われわれのような医療従事者の考えと、患者さんの考えには大きな違いがあるので、まずはその部分を簡単に解説します。

患者さんは病院と薬局をセットと考えてる

患者さんは、自分自身の治療行為として、病院と薬局をセットで考えている。

これは、「病院と薬局は経営主体として同じ」という意味でのセットではない。

病院と薬局は別ものだと意識はあるうえで、患者の治療という目的では病院と薬局はセットだと考えているという意味です。

 

例えば風邪を引いた患者。風邪を治したいので病院にいって診断してもらい、薬局で薬をもらい治療する。

このように、『治療』という活動について、病院と薬局を明確に区別してはいなく、1まとめに考えている。

 

段々と少なくなってきてはいるけれど、『え?薬局は病院の隣じゃないとダメなんでしょ?」という病院・薬局をひとくくりに考えている人。

これ、立地的な理由もあるけれど、治療というのが『病院で診察をしてもらい薬をもらう行為』と考えているので、病院の一部だと無意識に思っている部分もあるんだと思う。

 

いずれにせよ、患者さんは病院と薬局をセットで『治療行為』と考えていることを認識しましょう。

いっぽう、薬局の従業員は病院と薬局を別と捉えている

言うまでもなく、薬局に勤めているのであれば、病院と薬局は別のものだと考えていますよね。

保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則でも、医療機関との独立性について書かれている。

保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則

第二条の三 保険薬局は、その担当する療養の給付に関し、次の各号に掲げる行為を行つてはならない
一 保険医療機関と一体的な構造とし、又は保険医療機関と一体的な経営を行うこと。

保険薬局は、医療機関と一体的な構造(建物)ではいけないし、一体的な経営も行ってはいけないと書いてある。

このような行政規則もあるので、薬局と病院は別ものだという認識が一般的。

 

病院と薬局を1セットだと考える患者さんと、病院と薬局は別ものだと考えている薬局の関係者たち。

一連の医療行為と考えるのが患者理解の一歩

「病院と薬局を一連の医療行為」と患者は考えていることを認識すると、患者さんの心理を読みやすくなる。

具体的に考えてみると、例えば次のような心の声が想像できる。

  1. 体調が辛く不安だったが、診察を受けて悩みは解決した。あとは薬を飲んで休むだけだと分かったので、さっさと薬を貰いたい。
    (心の声)病院で問題が解消されたから、薬局の優先度が低い
  2. 病院でものすごく待たされた。診察後も処方箋を貰うまでに待たされた。今度は、薬局でまた待つのか。。
    (心の声)治療である薬を貰うまでに、めちゃくちゃ待たされた
  3. なんで薬をもらうだけなのに、わざわざ病院に行って、そのあと場所を移動して薬局に行かなきゃならないんだ。めんどくさい
    (心の声)薬を貰うために、2か所へ行かねばならないのは手間

治療することが目的なので、①のように病院の診察で治療に対する不安(問題)が解決されてしまえば、薬局は薬を貰うだけのオプションぐらいの感覚。

なので、薬局にとやかく言われると「もう、こちらの悩みは解決されてるから、余計なことは言うな」という気持ちが沸いてきて、怒る。

 

②、③のようなケースでは、病院で診察を受ける部分でストレスが溜まってしまい、さらに薬局でもストレスが溜まった結果、薬局で爆発する。

患者さんにとっては治療という一連の流れの最中。その流れのなかで最後に位置する薬局では、どうしても患者のストレスが溜まりがち。

病院と薬局は別ものだとは頭で分かっているものの、治療の流れだという思いもあり、病院のイライラもまとめて薬局にぶつけてしまう。

 

このように、病院と薬局がセットだと考えているがために、薬局に対して怒りをぶつけがちなのです。

患者さんは、病院と薬局をまとめて治療だと捉えていることを念頭に置くことで、患者さんが怒る理由を理解しやすくなります。

患者さんが怒る3つの理由と怒らせない対策方法

電球

 

次は、患者さんを怒らせなくするための具体的な手法についてまとめていきます。

患者が怒るケースとしては『待ち時間』に対するクレームが多いので、その対処法に絞る。

というのも、それ以外に怒られるケースは、患者の要望に対するミスのような原因がハッキリしているものが大半だからだ。

 

それでは、患者を怒らせない方法についてみていきます。

患者さんが待ち時間に対して怒る理由は3つ

患者が怒るのは、以下の3つ。

  1. 自分が予想していた待ち時間を裏切られた
  2. 待ち時間をコントロールできない不安感
  3. 接客に笑顔が無い、無愛想

人間の感情がどういう仕組みで揺れるのかというと、自分の予想と比べて良かった場合はプラスの感情となり、悪かった場合はマイナスの感情となる。

上記の①~③は、患者さんがあらかじめ予測していたことより悪い印象を持たれることが多い。

具体的な内容と対処法について、以降の章でみていきます。

受付時に少し長めの待ち時間予想を伝える

患者さんが薬局に入店すると、待っている患者の数と過去の体験から、おおよその待ち時間を予測します。これは、意識的な場合もあれば感覚的(無意識)なケースもある。

この予想した時間を一つの目安として、実際に待っている時間が目安時間よりも長くなるにつれ、患者さんのイライラが増してくるのだ。

 

これの対処法は、こちらから患者さんの指標を作ってしまうこと。簡単にいうと、待ち時間の予想を伝えることですね。これが最も効果的。

先に待ち時間を伝えてしまうと、患者さんの意識はその伝えられた時間に向く。

例えば、待ち時間が30分だと言われたなら、その30分と実際の待ち時間を比べて感情が動くようになる。

 

なので、薬のお渡しまで時間がかかりそうであれば、処方せんを受付したタイミングで待ち時間を伝えましょう。

ポイントとしては、少し余裕を持った時間設定にしましょう。何らかしらの影響で準備に時間がかかる可能性もあるし、最初に伝えた時間よりも早く渡せば良い印象を持たれる。

ただ、余裕を持たせたいがために、あまりにも長い待ち時間を伝えると、そのタイミングで怒られる可能性があるから、やりすぎには注意しよう。

待ち時間をコントロールできるような提案

人というのはコントロールできないことにストレスを感じがち。患者さんが待ち時間を有効活用できるように促してあげよう。

どういうことかというと、例えば以下。

  1. 外出してOKのことを伝える。
  2. 説明だけ先にして薬は郵送。

 

①に関しては説明するまでも無いですね。

②は法律でも認められた方法で、説明だけすれば薬は郵送でもOK。

郵送についてのデメリットは、慢性疾患の患者にしか使いにくいことと、郵送料をどうするのか問題。

急性疾患の場合は、薬をすぐに渡さねばならないケースも多く、タイムラグが発生する郵送は向いていない。逆に、毎回の薬が変わらない慢性疾患の場合は相性がよい。

あと、郵送料。基本的には郵送料を患者さんに負担してもらうんですが、稀に郵送料を請求したことに対してイラつく人がいるので、その点は心したい。

接客は笑顔を心がける

「待ち時間と関係ないじゃん!」と思われるかも知れませんが、、笑顔は接客の基本ですからね。

自分も病気になりますから、患者の立場で薬局に行くことはある。そこで、無表情の接客をされると、気持ち良いものでは無い。

私も、よく分からずに待たされてイライラすることもある。その上で、事務や薬剤師に不愛想な対応をされると、余計に腹立たしくなる。

 

笑顔はコミュニケーションを取るうえで、緩衝材として使える重要な要素。

笑顔が足りない。サービス業ですよ。もっと愛想のよい対応を心がけていきましょう。

まとめ

最後に、今回の内容をコンパクトにまとめます。

患者が薬局で怒りやすい理由

病院と薬局をセットと考えてるから。

▼対処法

  • 余裕をもった待ち時間を事前に伝える。
  • 待ち時間をコントロールさせる状態にする。
  • 笑顔を心がけた接客。

 

患者さんに怒られると、嫌な気持ちになるものです。お互いが気持ちよくやり取りできるよう、今回の内容を上手く活用してみてくださいね(و`ω´)و

【質問】薬剤師としての価値を高めるには?

 

【答え】継続的な勉強

2019年5月に厚労省が出した薬剤師の需要と供給についてのレポートをご存知ですか?

これ簡単に言うと『すでに薬剤師が余り出している』という内容が書いてある。需要を上回る数の薬剤師がいるそうだ。

 

突然ですが、最近の新卒の採用事情はご存知ですか?

調剤薬局やドラッグストアは、昔はそれこそ薬剤師の資格を持っていれば即採用というぐらい簡単でした。

でも今はちがう。優秀な成績の薬剤師に絞り始めていて、成績が悪い薬剤師は採用しない

この流れが、じわじわと中途採用にも来ています。なぜそんなこと分かるかというと、これでも薬剤師の採用を担当してますから、動向はチェックしてるのです。

 

薬剤師が飽和していく未来に対し、すこしでも質を高めて需要の高い人材となるため、ぜひ日々の勉強に役立ててください(و`ω´)و

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