毒薬、劇薬、毒物、劇物の違いとは?指定基準は何だっけ?

毒薬、劇薬(アイキャッチ)
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「毒薬」、「劇薬」と「毒物」、「劇物」って似てるけど、何が違うんだっけって説明できますか?

これ、薬剤師の国家試験とかで良く出る問題だから、国試を受けるときはバッチリ覚えていたけど、毒物・劇物は日常で取り扱わないので(言い訳)、月日が流れるに従ってバッチリ忘れとりました。。

なので復習がてら、それぞれの違いや指定基準などをまとめようと思う。薬学生の国試や登録販売者の試験で頻出の表示方法に関する図も作ったので、カラー印刷して壁に貼ったりして暗記に使ってください♪

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【毒薬・劇薬】と【毒物・劇物】の違いとは?

この区別は超簡単。医療用か医療用で無いかの違いだけ。

「毒薬、劇薬」は名前に「薬」と書いてあるだけあって、薬として治療に使われます。「毒薬で治療って矛盾してない!?」ってツッコミをあるあるで言われるけど、れっきとした薬なんです。

いっぽう、「毒物、劇物」は医療用に使わず、化学合成の材料として使われたりします。「ペロ・・・これは青酸カリ!?」というキャッチフレーズでコナン君おなじみの青酸カリも毒物です。無機シアン化合物という分類で毒物指定をうけてます。

 

どんな法律で規制されてるの?

毒薬・劇薬は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(長いので、「薬機法」、「医機法」と略される)で規制されとります。医療業界ではおなじみ、薬の取り扱いに関する法律ですね。

薬局の許可を受ければ取り扱ってOKであることが薬機法に書いてあるので、調剤薬局であれば特別申請をかける必要もなく、取り扱って良いんです!

一方、毒物・劇物は毒物及び劇物取締法(毒劇法)で規制されてとります。

毒劇法によると、毒物・劇物の取り扱うためには毒物劇物取扱責任者という責任者を置く必要があり、この責任者になれるのは以下のような人です。

  • 薬剤師
  • 厚生省が定める学校で応用化学の学科を修了した者
  • 毒物劇物取扱責任者試験に合格した者

ちなみに「厚生省が定める学校」には薬学部、農学部、理学部、工学部のほかに、高校(30単位以上の化学に関する科目を修得した)も含まれる。

大学の理学部や農学部の卒業が必要というのは何となく想像できるけど、高卒でも条件満たせばOKなんですな。30単位以上の化学ってのがイマイチぴんと来ないけど。。

「毒」と「劇」の違いは何?

ずばり、危険性の違いです。

毒薬と劇薬、毒物と劇物の違いとして使われる分かりやすい指標は「LD50」というもの。

LD50とは?

LD50(Lethal  Dose,  50%):半数致死量
投与した動物の半数が死亡する用量。物質の急性毒性の指標や致死量の一種として使われる。

例えば、ある化合物Aを実験用のラット100匹に投与する実験をしたする。化合物Aを20㎎投与すると、全体の半分である50匹が死ぬという結果が出たので、〔化合物AのLD50=20㎎〕という指標。

LD50が小さいほど、少ない量でも死亡するので、危険になる感じですね。

毒と劇を比較すると、言葉のイメージで察すると思うけど、毒のLD50の方が少ない値となりやす。

薬品棚

「毒薬」と「劇薬」の違いとは?

先ほどのLD50の量と、いくつかの規定に当てはまるかどうかという部分が基準となる。

(1)LD50の基準

投与方法 毒薬 劇薬
内服(経口) <  30mg/kg <  300mg/kg
皮下注射 <  20mg/kg <  200mg/kg
静脈(腹腔)注射 <  10mg/kg <  100mg/kg

 

毒薬の基準値までにLD50(半数のラットが死ぬ)となれば毒薬、毒薬の基準を超えても問題なかったけど劇薬の基準値までにLD50となれば劇薬と認定される。

例えば内服で見ると、毒薬と劇薬は次のように考えられる。

  1. 毒薬:体重kgあたり30mgを投与されると半数のラットが死ぬ
  2. 劇薬:体重kgあたり30mgでは問題なかったけど、300mgを投与されると半数のラットが死ぬ

毒薬のLD50は劇薬の1/10ということになる。つまり、10倍効果がヤバいってことですねぇ。。

人間で考えると、体重6kgの人は毒薬を1,800mg(=1.8g)服用すると、半分の人が死んでしまう可能性があるってことですね。ウブレチド錠5mgという毒薬で考えると、1錠服用すると成分を5mg摂取したことになるので、、、360錠を一気に服用するとヤバいことになります。

(2)LD50以外の規定

  1. 薬用量の10倍以下を長期連続で投与したときに障害を認めるもの。
  2. 安全域が狭いもの(致死量と有効量、中毒量と薬用量)
  3. 薬用量において副作用の発現率が高いもの
  4. 蓄積作用や薬理作用が激しいもの

LD50以外にさだめられているのは上記の内容で、安全に治療するための服用量の幅が狭いもの(飲みすぎると致死量・中毒量に移行しやすい)や、治療するための服用量でも副作用が出やすいもの、なんてのが毒薬認定受けるんですね。

毒薬の保管管理の方法は?

薬局や病院で毒薬を保管するルールは厳しく決まってます。毒薬は他の医薬品と区別し、鍵付きの専用保管庫に貯蔵・陳列(保管)しなければダメ!

新規薬局の開設許可を受けるときも、薬局図面に毒薬の位置を書くように求められたりするぐらいきちんと管理しないといけないので、必ず鍵付きの専用棚で保管しよう。

専用棚とは、棚1本丸々を専用としなければいけない訳ではなくて、棚の特定の引き出しを毒薬専用の引き出しとするだけでOKです。

ちなみに、患者さんに処方された毒薬については保管について特に規制はないです。これは、麻薬とか向精神薬とか他の規制薬品であっても、患者さん側の保管規定はないですのよ。

劇薬の保管管理の方法は?

毒薬の保管規定から、鍵の部分をとれば、劇薬の保管規定になります。劇薬は他の医薬品と区別し貯蔵・陳列(保管)しなければならないです。

他の薬と区別しなければいけないのは毒薬と同じで、毒薬と劇薬の保管場所に関する違いとしては鍵が必要か不要かってところを覚えておけばOK!

あ、毒薬と劇薬は別々に保管しなければならないですよー!

「毒物」と「劇物」の違いは?

これまたずばりLD50の基準があります。まずは表を見てみましょうか。

投与方法 毒物 劇物
内服(経口) <  50mg/kg <  300mg/kg
経皮 <  200mg/kg <  1,000mg/kg
吸入(ガス) <  500ppm <  2,500ppm
吸入(蒸気) <  2.0mg/L <  10mg/L
吸入(ダスト・ミスト) <  0.5mg/L <  1.0mg/L
 皮膚・粘膜刺激性 硫酸、水酸化ナトリウムなどと同等の刺激性

上記の基準を参考として、厚生労働省が毒物・劇物を認定し、毒劇法の第2条に規定される。毒物には、極めて毒性が強いものを「特定毒物」という分類にされているものがある。

ちなみに、毒薬や劇薬のLD50の方が小さいジャン!って思った鋭い人もいると思うけど、毒薬・劇薬はあくまで医薬品として体に入ることが前提となっていて、名前は似ているけど毒物・劇物とは全く違うものです。規定される法律も薬機法と毒劇法と、違うものだしね。

「特定毒物」、「毒物」、「劇物」ってどれぐらいあるの?

これは毒物及び劇物取締法(法律)の第2条と、毒物及び劇物指定令(政令)に定義してあって、品目数はこんな感じ。

  • 劇 物 :法定:94品目 政令:296品目
  • 毒 物 :法定:28品目 政令:97品目
  • 特定毒物:法定:10品目 政令:10品目
    ※法定、政令で被ってる品目有り

実際の品目リストを見てみると、例えば体温計で使われる「水銀」は毒物認定されてたりします。水俣病の原因で有名ですね。

毒物、劇物の保管管理の方法は?

毒物劇物ほ保管管理方法としては、鍵付きの専用保管庫で管理です。毒薬・劇薬との違いとしては、劇物も鍵付きで保管しなければならないことと、毒物・劇物を合わせて保管しても良いことです。(毒薬と劇薬は必ず分けて保管)

保管庫の条件としても、以下のような要件があったりする。

  • 堅固なものであること。
  • 施錠できるものであること。
  • 医薬用外毒物・医療用外劇物の文字を明瞭に表示する。
  • 飛散、漏れ、しみ出し、地下にしみこむ恐れがない。
  • 震災対策として壁等に固定する。
  • 内部の柵と固定する。
  • ボトルトレー等で転倒・落下防止措置をする。
    <参考>毒物劇物の取扱い、保管・管理の手引き(東京都福祉保健局)

管理方法としては、定期的に数をかぞえたり、こぼれたりしていないかのチェックが必要になります。

「毒薬」「劇薬」「毒物」「劇物」の表示方法、ルール

それぞれ、記載方法が決まってます。薬剤師の国家試験で必ず覚えさせられるヤツです。

毒薬・劇薬・毒物・劇物の表示方法

  1. 毒薬:黒地に白枠・白文字で、品名と「毒」を表示
  2. 劇薬:白地に赤枠・赤文字で、品名と「劇」を表示
  3. 毒物:「医薬用外」の表示と、赤字に白文字で「毒物」と表示
  4. 劇物:「医薬用外」の表示と、白字に赤文字で「毒物」と表示

文字だけだとイメージが沸きにくいので、下の画像と併せて右脳と左脳をフル動員して覚える方が定着率高しです。

毒薬、劇薬、毒物、劇物

【覚え方】薬は枠有。「毒」は○地に白文字、「劇」は赤文字

国家試験のまえ、この4種類の表示を覚えるために、上の画像をカラーコピーしてトイレに貼ってたのは良い思い出( ;∀;)

「毒薬」「劇薬」「毒物」「劇物」の交付、販売について

それぞれ、年齢やら必要な書面・保管期間があります。

(1)毒薬・劇薬

【販売相手】
14歳未満の者、安全な取扱いに不安を認める者へ販売・交付することは禁止。ただし、処方せんによって調剤された医薬品は14歳未満でも販売・交付可能。

【管理】
薬局が一般の人へ販売・交付する場合は、譲渡年月日・品名・数量・使用目的・購入する人の氏名、住所、職業を記入した書類に、署名もしくは記名押印したものを受け取り、販売日から2年間の保管義務がある。

(2)毒物・劇物

【販売相手】
18歳未満の者、麻薬、あへん、大麻、覚せい剤中毒者、心身障害により適正な危害防止措置を行うことが出来ない者への販売は禁止。

【管理】
薬局が一般の人へ販売する場合は、譲渡年月日・品名・数量・使用目的・購入する人の氏名、住所、職業を記入した書類に、署名もしくは記名押印したものを受け取り、販売日から5年間の保管義務がある。

毒薬・劇薬、毒物・劇物のによって、販売者の年齢(14歳か18歳か)と書面の保管期間(2年か5年か)の違いがあるので、併せて抑えておこう!

 

毒薬・劇薬、毒物・劇物は名前は似ているけれども、規制される法律や保管の方法、交付するときのルールなどなど異なっているので、特に管理する人はしっかりと区別しましょう!

参考図書↓

薬剤師1年目の時に会社から強制的に買わされたけれど、今回の毒薬などの規制薬品の調剤・管理とか、全般的な調剤の流れや服薬指導の基本的なこと、薬歴の記載方法や、調剤過誤を起こした際の対処方法など、薬剤師初心者にはもってこいの導入本。こういう基本的な本が1冊あると、新人指導とかの立場で研修資料作りとかで参考として使えるので便利。

あと、登録販売者を目指してるんだけど、内容難しいな・・・(涙) みたいな、勉強に壁を感じている人は資格の学校へ通うという方法もあるので、コチラもあり。とりあえず資料請求だけなら無料だから、「お金はかけたくないけど、登録販売者ってよく分からないから調べてみよっかな~」的な情報取集だけに使うのもOK。なぜなら、うちの事務の子がそういった使い方をしていて教えてもらった(笑

 

んじゃね!


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