といった疑問をかかえているあたなは、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
というのもわたくしプジキ(現役薬剤師)は、薬局にかかってくる営業電話からマンションを実際に買い、そして売ったという経験がある。
証拠となるのかわからないけど、不動産を売ったときにかわした契約書の一部を公開しちゃいます(↓)
平成30年7月19日に売却した契約書。個人情報がめっちゃあるので、黒塗り多め。
不動産の投資を経験して、いちおうトータルでは儲けが出た(50万円ぐらい)んですけど、結論から言うと『素人は手を出さない』に限ります。
そのへんの理由も含めて、この記事を読んで貰えば以下の内容が分かります。
- 営業電話の目的が節税狙いの投資であることが分かる。
- その営業内容が安全か危険か分かる。
- 投資話に乗った場合の未来が分かる(実例紹介)
始めに断っておきますけど、自分は不動産投資を積極的にしていたわけではないので、知識が豊富ではない。
ただ、一般的な薬剤師の人も不動産投資の知識は少ないはずなので、素人が手を出すとどうなるのかという視点でけっこう参考になると思う。
営業話に気軽に乗るまえに、ぜひ一読してみてください。
も く じ
薬局にかけてくる営業電話は不動産投資

よく、薬局にかかってきて「管理薬剤師、お願いできませんか?」とか言ってくる営業電話は、100%といっていいほど『不動産投資』の話です。
中型から大型マンションの1部屋を購入することをすすめてくる。(区分マンション投資といいます)
営業トークは「節税しませんか?」
彼らの営業トークは定型文のようにこんな感じ。
そもそも薬剤師の給与が世間一般と比べてそんなに高くないんじゃ!・・・という話は置いておいて、「節税」というキーワードを使い不動産投資の営業をかけてきます。
「不動産投資が節税とはどういうことやねん」と疑問に感じるでしょう。
すごくザックリと説明すると、あまり儲けが出ていない不動産を購入することで所得をマイナスにすることができ、本来支払う税金よりも少なくすることができる、という仕組み。
なぜ薬剤師を狙って営業してくるのか?
それは、安定した収入がみこめる堅い職業だから。
投資用のマンションを買うために、1部屋とはいえ数千万円のお金が必要。貯金でそれだけのお金を持ってるリッチな人は一部。
ということで、購入するためには銀行からお金を借りる必要がある。
融資を受けるときの銀行の査定で、薬剤師のような国家資格はプラスになるので、仮に社会人歴が少なくても比較的お金を借りやすいのだ。
少し話がそれますが、住宅ローンの借り入れを検討している薬剤師の人がいたら、薬剤師免許も銀行に提出すると、ローンが通りやすくなる。
医師とかになると、収入が安定しているうえに高給取りですから、薬剤師以上に狙われている。購入対象も、マンションの1室といわず、アパート1棟とかの投資話がくるらしい。
そもそも不動産投資は節税目的で良いの?
もうね、ダメですね。
「不動産投資は、節税を目的とするのではなく収入UPを狙うべき」というのが、7年ぐらい不動産を保有して導いた結論。
ちょっと説明させて下さい。
まず不動産投資というのは、次のような仕組みでお金が入ってくる。
①貸している人からの家賃収入-②銀行へローン返済=③不動産投資の収益
家賃8万円(①)で貸していて、毎月の銀行への支払いが7万円(②)だと、不動産の収益が1万円(③)になる。年間だと12万円の収入UPとなるわけですね。
これだけだと、増えた12万円分の税金が増えるように感じると思うだろうけど、そうではない。
不動産には「減価償却」という考えがある。
減価償却という単語が聞きなれない人も多いと思うので簡単に説明すると、『減価償却:年が経つと価値が減るのでその分を考慮します』という意味。
年数を重ねるごとにマンションの価値が下がるので、「その下がった分も1年間の不動産収益に合算していいですよー」というルールになっているのだ。
つまり、不動産を所有することで収入が増える(税金増える)のか収入が減る(節税になる)のかは、次のように考える。
(1)プラスの収益
①貸している人からの家賃収入-②銀行へローン返済=③不動産投資の収益
(2)マイナスの収益
④不動産の減価償却分
(3)税金の計算対象
プラス分(③)とマイナス分(④)を合算し、トータルの収入がプラスになると増税、マイナスになると節税になる。
つまりですよ。節税目的というのは不動産投資の収益(③)があまり大きくないことを前提としている。それが大問題。
例えば、貸してる人が急に引っ越しすることになった場合。当然のごとく家賃収入は0になるので、銀行へのローン支払いは自分でするしかない。
節税のために不動産収益(③)はそんなに貯まって無いので、自分の給与から支払う必要がありますよね。
そして次に貸す人が決まった時に、家賃交渉されて銀行への支払い額よりも家賃収入が少なくなった場合。そうすると、毎月いくらかの金額を補填する必要がある。
これ、、、、自分の実体験です。
もし不動産収益でガンガン稼いでいたとすれば、上記のような場合にも、貯めていた不動産収益分から支払うことができるので、自分の給料から持ち出す可能性が減る。
というか、そもそもの話なんですけど、不動産の収益がしっかり出ている物件であれば、不動産屋はわざわざ人に売ろうとしないですよね。自社で持ってた方が利益が出るんだから。
利益がでない物件だから「節税目的」というキレイな理由をくっつけて素人に売りつけてるとしか思えない。
以上から、不動産投資は節税目的で買うべきではないというのが自分の結論です。
ちなみに、日経メディカルの「今から区分マンション投資?それは自殺行為です」を併せて読んでもらうと、節税の仕組みとかさらに理解が深まります。
営業電話から不動産の購入は安全?危険?
安易に購入するのは危険です。
繰り返しになるけど、節税目的とした営業トークだとすると、その裏側には「持ってても利益にならないから売ってしまえ」という不動産屋の意図を感じるので危険です。
もちろん、不動産投資に対する知識をもっていて、自分なりに考えた結果であれば全然OKだと思ってます。
何も分からない状態での購入はまーったくおススメしませんので、ご注意あれ。
不動産を購入してから売却するまでの実体験(山あり谷あり)

平成23年に東京都内のマンション(1部屋)を購入して、平成30年の夏に売却するまでの実体験を以下に書いていきたい。
営業マンと会ったのは興味本位から
あれは平成23年の12月。当時の私は、最初に入社した薬局で薬局長に昇格し、業務内容にも慣れてきて刺激が少なくなっていた時期でした。
そう、いつも仕事が忙しいことを理由にガチャ切り(というか出ない)してたけど、いったいどんな営業をしてくるのか興味もあった。
試しに営業電話に出てみると、「節税目的での不動産投資」という定型文で営業された。
その当時の無知な自分は、「どういうカラクリで節税できるのだろう?」という好奇心が勝ったので、とりあえず営業マンに会ってみることに決めた。
毎月の賃貸収入につられて購入を決意
仕事終わりに会う約束をした。確か電話がきた3日後ぐらいに、営業マンと初対面。
待ち合わせ場所に行ってみると、電話営業してきた新人とその上司の2人組であらわれた。
不動産投資に関する説明は、もう上司の独演会状態。良いことをぶわーってまくし立てられる。
最初はまったく買う気なんてなかったので、知りたかった節税の仕組みを理解できたら帰るつもりでいた。
しかし。
毎月の不動産収益が5千円ぐらい出る計算になり、そのうえ節税できるなら、「買うのも悪くないのかなー」とだんだんと前向きに考えている自分がいた。
当時、まだ20代前半。不動産は2千万円だった。不動産の知識も0に等しい。
が、勢いで契約書にハンコを押した。
若さって怖いですよね。
手厚いサポートは最初だけ
不動産投資を始めると、確定申告が必要になる。これは、収益がプラスであれマイナスであれ、必ず行わねばならない。
で、不動産の収益を確定申告するのって、けっこう面倒なんですよ。
この確定申告、購入した不動産屋がサポートするっていう約束だったので、最初のころは何も気にしていなかった。
営業マンの人が確定申告書の下書きを作成してくれるので、その通りに書き写して税務署に送るだけという、なんとも簡単な作業だった。
しかし、これが続いたのは3年間だけ。
4年目になると、「会社の方針で今までの対応ができなくなったんですよー」と急に言われた。
それは困るとゴネると、「電話で聞いてもらえばお答えしますので、話ながら作成してもらえませんか」と言ってきた。
結局このスタイルも2年間ぐらいしか続かず、後は自分で作成しろと言ってきた。
おいおいおい、約束が違うだろ!
全ての不動産屋がこれと同じ酷いパターンとは思わないけど、自分が購入した不動産屋はハズレの方だったもよう。
他にも色んな酷い対応をめちゃんこされたので、この不動産屋はホントにおススメしない。
※この不動産屋はCMとかも流してる結構大きな会社です。社名を言ってよいのか分からないから書かないけど、、、大阪の道頓堀にあるグリコの横に看板出してる会社です。Googleストリートビューで見てみてください(汗
貸してる人が変わり賃貸収入がマイナスへ
あれは4年目ぐらいのとき。貸している人が引っ越すということで、新たに借りてくれる人を募集した。
2ヶ月ぐらいしたら入居希望の人が出てきたんだけど、家賃を安くして欲しいと交渉された。
その希望を突っ返すこともモチロンできるけど、借り手が付かない間は毎月のローン支払いに対して自腹を切り続けるという辛い状態であった。
希望価格にすると、毎月の収支が数千円のマイナスとなってしまうが、借り手が付かないと1月で10万円弱を支払わねばならなかったので、なくなく家賃を下げて入居していただくことにした。
ここから、毎月わずかながらお金を補填して、ローンを返済していくことになる。
チャンスを見て、めでたく売却
それから、不動産投資に関する本を読んだり、実際に不動産投資をしている知り合いに話を聞いて、売却のタイミングを狙っていた。
具体的には、銀行金利の変動だとか、都内のマンション価格とか、所持しているマンション付近で売りに出ている物件情報とか、その辺りの情報をつねに監視してましたね。
そして、平成29年の秋ごろぐらいに、「そろそろ売り時」という結論に達したので、いろんな不動産屋に連絡を取りまくる。
けっこうな数の不動産屋に売却のお願いをしたんだけど、最初の頃は騙されそうになったりもしました(不動産屋って怖いよね・・・)
最終的には、『売却時の手数料が一律』というサービスを提供しているマンションマーケットという会社で売却することに落ちつく。
誠心誠意対応してくれてる感があり、知識も豊富な担当が付いてくれたので、心強かったのが決めてだった。
こちらの会社で半年ぐらい売りに出した。希望価格での買い手はなかなか見つからなかったが、7カ月目でようやく買い手が見つかり、めでたく売却できました(汗
トータル収支は+50万(ラッキーだった)
不動産を取得してから売却するまでのトータル収支は+50万円でした。
この金額だけを見ると、「お、そんなに儲かるなら、不動産投資に手を出してみるかな」と思う人もいるでしょうが、知識がない状態で手を出すのはおススメしない。
不動産に関する法律やら契約条件などのルールをしっかりとおさえないと、被害をうけるのは間違いない。
これ、感覚的には、調剤報酬のルールをあんまり知らずにレセプト請求しちゃって、返礼くらうどころか個別指導に当たるような感じですね。
私は収支がプラスになるように不動産関連の勉強を必死でしました。その結果、幸運も手助けをしてくれ、なんとかプラスで終わったのかなぁと思っている。
なかには悲惨な結果になっている人もいるようなので、営業マンの言うことをそのまま信じるのではなく、きちんと自分で判断してから手を出すようにしてくださいね。
参考私が“不動産投資詐欺”で借金3億を背負うまで(日経メディカル)
結論:無知なら買わない
営業マンの話を聞くだけなら、知らない世界を知るきっかけになるので良い。むしろ積極的に話だけ聞くことをおススメする。
だけど、実際に購入することに関しては別。安易に不動産投資に手を出すと、さいあく借金を抱えることになります。
自分のように無知なのにノリだけで不動産を購入することは、まーったくおススメしないので、きちんと知識を付けてから買うかどうか決めるようにしてください(汗
【答え】継続的な勉強
2019年5月に厚労省が出した薬剤師の需要と供給についてのレポートをご存知ですか?
これ簡単に言うと『すでに薬剤師が余り出している』という内容が書いてある。需要を上回る数の薬剤師がいるそうだ。
突然ですが、最近の新卒の採用事情はご存知ですか?
調剤薬局やドラッグストアは、昔はそれこそ薬剤師の資格を持っていれば即採用というぐらい簡単でした。
でも今はちがう。優秀な成績の薬剤師に絞り始めていて、成績が悪い薬剤師は採用しない。
この流れが、じわじわと中途採用にも来ています。なぜそんなこと分かるかというと、これでも薬剤師の採用を担当してますから、動向はチェックしてるのです。
薬剤師が飽和していく未来に対し、すこしでも質を高めて需要の高い人材となるため、ぜひ日々の勉強に役立ててください(و`ω´)و






















