先日のことですが、とある皮膚科の処方せんで「オリブ油」が処方されていました。それを見た事務さんから、鋭い質問が飛んできまして、、
オリブ油はオリーブオイルの薬局製剤版でしょ?ってぐらいの感覚でいたから、明確な違いについて教えてあげることができなかったのねー(汗
オリブ油は保湿目的で一般使用もされているので、せっかくだからオリブ油とオリーブオイルの違いについて、職権を乱用して製薬メーカーにも聞いてみて、「オリブ油とは?」を調べつくしてやるぜ!
オリブ油は医薬品




オリブ油とオリーブオイルは、どちらもオリブの実を圧搾(潰す)することで作られとります。どちらも英語表記にすると「OLIVE OIL」になるんですな。
全く同じものから作られて、英語表記だと同じなんだね。これ、もう同じものでしょ!って終わらせたくなったけど、続けて調べよう。
※日本薬局方に記載されている成分は、全て「医薬品」として分類されます。
・・・まぁ、言ってしまえば当たり前だけど、医薬品か、医薬品で無いかの違いは当然あるよね。オリブ油は処方されるぐらいだもんね。
ちなみに、医薬品としてオリブ油はどのような目的で使われているのか、ちょうど容器に書いてあるので、用途を見てみよう。
[用途] 軟膏剤、硬膏剤、リニメント剤などの製剤用基剤として用いる。皮膚、粘膜の保護剤として用いる。
上記内容はどういうことか、簡単に言い換えると、①塗り薬と混ぜ合わせて使ったり、②皮膚や粘膜を保護する目的で塗りますよってことが記載されています。
仮に、オリーブオイルを体に塗ることを想像すると、サラダ油とかよりはサラサラしてそうだけど、でも結局ベトベトになりそうですね。オリブ油だと意外とサラサラしてんのかなー。
医薬品で気になることがあれば、製造しているメーカーに聞くのが1番!ってことで、オリブ油を作っている製薬メーカーに、オリブ油とオリーブオイルの違いについて聞いてみました。
オリブ油とオリーブオイルの違いを製薬メーカーが教えてくれた
今回、オリブ油を製造している2社(A社、B社)に聞いてみた。
①製薬メーカー(A社)との会話
精製すんの大好き過ぎでしょ!!
びっくりするほど精製を押してきて、その他に質問したいことも忘れるほどのインパクトでした(汗
精製というのは、混合物を純物質にする工程のことを言います。要は、色んなものが含まれている物質から不純物を取り除いていき、純粋な物質を作り出すことですね。
A社との会話を通して、オリブ油とは「オリーブオイルを精製したもの」ということは分かったけど、精製をすることでどうなるかという大事な情報を聞き出すことが出来なかったので、、、次の製薬メーカーに期待しましょう。
②製薬メーカー(B社)との会話
・・・こういうの待ってたんだよ!
今度は、オリーブオイルを精製することでどのようになるかという情報まで、ゲットすることができました。
先ほど予測した通り、オリブ油はオリーブオイルよりもサラサラしているらしいし、風味も弱いらしいとのことなので、「じゃあ試してやんよ!!」ってことで、本当なのかどうか実際に舐めたり体に塗って確かめてみました!
オリブ油を実際に使ってみた
まず色味について。通常のオリーブオイルよりも薄い黄色ですな。オリーブオイルの黄色味は、元々は「クロロフィル」という緑色の色素が光に当たり分解されて、緑色が薄くなることで黄色くなります。これ、豆知識。
精製することで、クロロフィルの分解物を除去し、黄色味が薄くなっているんですかね。ちなみにクロロフィルっていうのは、別名「葉緑素」と呼ばれます。中学生の光合成について学習したときに覚えたヤツですね。葉緑体的なヤツ。唇っぽいヤツ。
次に臭いについて。オリーブオイル感は薄くなっているんだけど、相対的に油臭さが増しているような感じがしました。。。そこまで強い臭いではありませんがね。。。
そして、味について。。うーーーーん、こちらもオリーブっぽい味が感じなくなり、油臭さが増している、というか純粋な油っぽくて、
正直マズい。
飲むものではないですね。。
最後に、体に塗ってみました。
・・・うん、確かにべたつきは少ない感じはしましたが、普通の油と違いサラサラしているかと言われるとそんなことはなく、いわゆる油だよねっていう感覚ですね。。
ちなみにオリブ油の価格としては、1L当たり328円~634円という薬価のため、オリーブオイルと同じぐらいの価格帯。エクストラバージンオイルよりは安いですね。ちなみに、オリブ油はドラッグストアで購入可能です。
ちなみに保湿剤として利用する場合、子供が生後2週間の時から我が家で大活躍している馬油(ソンバーユ)が激おススメ。ちと高いし、中国人にバカ人気で売ってなかったりするけど、口に入っても害が無いってことで、子供の顔の保湿や嫁の乳首ケアに使ってました。
まとめ
それでは最後に、オリブ油とオリーブオイルの違いについて、オリブ油のポイントからまとめます。
- オリブ油は医薬品である
- オリーブオイルを精製してオリブ油を作っている
- オリブ油は純度が高い(オリーブオイル100%)
- 風味、色味、ベタつきが弱い
- ポリフェノール・ビタミンE等、オリーブオイル以外の美容成分は少ない、もしくは含まれていない。
オリブ油は、あくまで医薬品として使われるため、不純物を除き、他の医薬品と合わせやすい性状にしているってわけですね。
大事なことは、オリーブオイルを精製してオリブ油を作っているということ!製薬メーカーさんが激しくプッシュしてたポイントなので、皆さんもぜひ覚えてあげてね(汗
【答え】継続的な勉強
2019年5月に厚労省が出した薬剤師の需要と供給についてのレポートをご存知ですか?
これ簡単に言うと『すでに薬剤師が余り出している』という内容が書いてある。需要を上回る数の薬剤師がいるそうだ。
突然ですが、最近の新卒の採用事情はご存知ですか?
調剤薬局やドラッグストアは、昔はそれこそ薬剤師の資格を持っていれば即採用というぐらい簡単でした。
でも今はちがう。優秀な成績の薬剤師に絞り始めていて、成績が悪い薬剤師は採用しない。
この流れが、じわじわと中途採用にも来ています。なぜそんなこと分かるかというと、これでも薬剤師の採用を担当してますから、動向はチェックしてるのです。
薬剤師が飽和していく未来に対し、すこしでも質を高めて需要の高い人材となるため、ぜひ日々の勉強に役立ててください(و`ω´)و


























