2018年度の調剤報酬で『未妥結減算制度』の見直しで、とうとう卸と国が本気を出してきたと感じているプジキでございまーす。
何が本気かというと、未妥結による減算が本気で厳しくなったのではなく、2018年度からは卸との価格交渉が本気で厳しくなるぞと言う意味。 もう、今からガクブルなわけです。
未妥結減算の見直しに関しては、今までもあった調剤基本料の減算規定に「定期的な報告」という要件が加わった程度で、あんまり厳しくなった感じはない。
※調剤基本料の変更点に関しては、こちらの記事を参考にどうぞ→『調剤基本料』の変更点は?【2018年度調剤報酬】
ただ、個別改定項目の資料を読む限り、「これ、、、卸が強気で交渉してくるようになるっっしょ」と思う所があるのです。 その理由が何なのかご紹介したいと思うので、一緒にガクブル対応策を考えて、ボクにも教えて下さい(涙
薬価交渉が厳しくなる理由は『流通改善ガイドライン』にある
なぜプジキは、価格交渉が厳しくなると言っているのか。 その根拠は、今回の未妥結減算を見直すベースとなるのが『流通改善ガイドライン』にある。
全体的な内容としては、卸との交渉について「無茶な値引きはやめなさい!早めに妥結しなさい!」って内容が書いてある。
該当箇所は『3 卸売業者と医療機関・保険薬局との関係において留意する事項』という部分なので、どんな内容なのか見てみよう↓
早期妥結と単品単価契約の推進
- 原則として全ての品目について単品単価契約を進めるが、少なくとも前年度より単品単価契約の割合を高めること。
- 価格交渉の段階から個々の医薬品の価値を踏まえた交渉を進めること。
単品単価のことは毎度のことだが、『個々の医薬品の価値を踏まえた交渉』という部分がキニナル。 これ、、、「医薬品の価値を度外視した値引き交渉はするなよ!」という意図の裏返し表現だと思うのよ。
何をもって医薬品の価値とするのかハッキリしないので、卸はこの「医薬品の価値」の意味を拡大解釈して、値引きに応じなくなるという推測。
頻繁な価格交渉
- 期中で医薬品の価値に変動があるような場合を除き、安定供給などの本来業務に注力できる年間契約等のより長期の契約を基本とすることが望ましい。
これは、妥結率の報告時期(9月)だけとりあえず妥結しておいて、その後に腰を据えた価格交渉を行っている薬局のことをディスっていると思われる。
価格交渉は卸にとっても負荷のかかる仕事だから、なるべく長期に契約したいんでしょうね。
医薬品の価値を無視した過大な値引き交渉の是正
- 個々の医薬品の価値を無視した値引き交渉、医薬品の安定供給や卸売業者の経営に影響を及ぼすような流通コストを無視した値引き交渉を慎むこと。
はい、また出てきました『医薬品の価値を無視』!!
あとは、流通コストを無視した値引き交渉をやめろってことですな。 確かに、急配とかめっちゃ配送コストかかってそうだもんね(汗
酷いと厚労省へ相談される!?
厚生労働省に相談窓口が設置され、相談事例を厚労省のHPで晒されることになるそうだ! まずは、該当部分を見てみよう↓
第2 厚生労働省による関与
1)厚生労働省への相談
- 厚生労働省に相談窓口を設置し、相談事例をガイドラインの事項毎にまとめ、多くの相談があった事例を厚生労働省の「医療用医薬品の流通改善に関する懇談会」に報告及び厚生労働省ウェブサイトに掲載。
- 原則として事例の見える化を通じてガイドラインの遵守を求める。
- ただし、特に長期に渡り安定的な医薬品流通に影響を及ぼすような事案については、ヒアリング等を行う。
薬局と卸の交渉について、卸が厚労省へ相談できる窓口を設置するよう。 さらに、相談された事例で多かったことについては、厚労省のHPに掲載される。
これ、国が一緒になって薬局との交渉方法を考えてくれるってわけだよね。
さらに、『長期にわたって医薬品流通に影響を及ぼす場合はヒアリング等を行う』と書いてあるので、価格交渉で無理をいってくる薬局に対して、厚労省から直接的な介入があるのかもしれない。
こんな感じで、卸が薬局との交渉に強気になりそうな材料が目白押しなわけだ。
卸の業績が年々厳しくなってきていることは決算報告書とか見ると分かるけど、「薬局だって厳しくなってきてるんだから、そんなに卸へ寄りそわなくても良くね?」と思っちゃう。
とにかく、2018年度は卸との交渉が厳しくなりそうな予感しかしないので、薬局のもう一つの収益源である調剤報酬をしっかり算定することに集中しようと心に決めたプジキでした。
古き良き『薬九層倍』(※薬九層倍:薬は原価の9倍で売れるという比喩でつけられた表現。儲けが非常に大きいこと、暴利をむさぼることの例え。)の時代はいずこに行ってしまったんだ~(遠い目)
薬局に関する勉強に便利なサイト
最後に、私がブログを書くときの記事ネタを探したり、情報収集に活用しているサイトの『m3』をちょっとだけご紹介。
m3は、薬局に関連性のある最新情報を国内外問わずにまとめて確認できるため、効率的に知識を補えるので助かっている。
一例ですけど、こういった情報が毎日更新される↓
こう、非常に興味をひかれるコンテンツが豊富。それで、毎日更新される。 なので、毎朝の通勤時間でサッと記事のタイトルだけ見ておけば、「え、知らないの?」といった取り残されるリスクが無くなる。※アプリがあるので便利。
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すべての薬剤師に自信を持っておススメできるので、他の薬剤師に差をつけられる前にぜひ活用してみてください(و`ω´)و
公式サイトm3
【答え】継続的な勉強
2019年5月に厚労省が出した薬剤師の需要と供給についてのレポートをご存知ですか?
これ簡単に言うと『すでに薬剤師が余り出している』という内容が書いてある。需要を上回る数の薬剤師がいるそうだ。
突然ですが、最近の新卒の採用事情はご存知ですか?
調剤薬局やドラッグストアは、昔はそれこそ薬剤師の資格を持っていれば即採用というぐらい簡単でした。
でも今はちがう。優秀な成績の薬剤師に絞り始めていて、成績が悪い薬剤師は採用しない。
この流れが、じわじわと中途採用にも来ています。なぜそんなこと分かるかというと、これでも薬剤師の採用を担当してますから、動向はチェックしてるのです。
薬剤師が飽和していく未来に対し、すこしでも質を高めて需要の高い人材となるため、ぜひ日々の勉強に役立ててください(و`ω´)و