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『調剤基本料』の変更点は?点数や算定要件は?【2018年度調剤報酬改定】

調剤基本料の変更点とは?
タマコ
タマコ
調剤報酬のたびに、調剤基本料が複雑化してる気がする・・・
プジキ
プジキ
吹今年は5区分と前回より少なくなったけど、算定要件は変わるから、諦めて覚えていこう!

 

だんだんと算定要件が複雑化してきて、毎回覚え直すのがメンドウな調剤基本料。 今年も引き続き、しっかり読み込まないと理解するのに苦労する!(昔はめっちゃシンプルだったのに。。)

腹をくくり、今年も頑張って覚えていきましょう!!

 

ということで早速ですが、2018年度の調剤基本料は5段階に分かれている。細かな算定要件は下の方で解説するとして、まずは点数だけご紹介↓

点数
  1. 調剤基本料1   : 41点
  2. 調剤基本料2   : 25点
  3. 調剤基本料3 イ : 20点
  4. 調剤基本料3 ロ : 15点
  5. 特別調剤基本料  : 10点

今まで通り、単店などは1番点数の高い調剤基本料1を算定できるケースが多い。 一方で、大型門前薬局は調剤基本料2や3となるが、算定要件が2016年度よりも厳しくなる。

まぁ、去年の調剤報酬改定率の資料に『大型門前薬局の評価を適正化する』と書いてあったので、驚きもないけど。

妥結率に関する減算ペナルティなんかもあるので、それぞれの算定要件についてポイントを押さえていこう! ちなみに算定要件は、原文のままだと分かりにくいので、分かりやすく書き直しますっ!

調剤基本料1(41点)の算定要件

他の調剤基本料に該当しなければ、基本はこの点数を算定することになる。一番点数も高いし、なんとか調剤基本料1を算定・維持できるように狙っていきたい。

 

調剤基本料2(25点)の算定要件は?

 

算定要件
  1. 1カ月の処方箋受付回数が4,000回を超え、特定の医療機関からの処方割合が70%以上【継続】
  2. 1カ月の処方箋受付回数が2,000回を超え、特定の医療機関からの処方割合が85%以上【変更】
  3. 特定の医療機関からの処方箋受付回数(薬局がある建物に複数の医療機関がある場合は、建物内全ての医療機関の処方箋を合算)が1カ月に4,000回を超える。【新設】
  4. 特定の医療機関からの受付回数(同一グループの他の薬局でも、調剤の割合が最も高い医療機関が同じ場合は、その他の薬局の処方箋受付回数も合算)が1カ月に4,000回を超える。【新設】

調剤基本料3と特別調剤基本料に該当せず、上のどれかの要件に該当した場合、調剤基本料2を算定することになる。

①の要件(1カ月の受付回数が4,000回超えて、かつ、特定の病院からの処方が70%以上)は2016年度の要件から据え置きですな。

②の要件は、処方割合の部分が90%→85%と厳しめに変更となった。

 

③、④の要件は2018年度から新たに加えられた要件。どちらも特定の医療機関からの処方箋受付回数が4,000回を超えた場合に該当するのだが、特定医療機関の考え方が悪い意味でユニーク

③赤字部分の『薬局がある建物に複数の医療機関がある場合は、建物内全ての医療機関の処方箋を合算』とは、要は医療モールのことを指す。 「薬局と同じ建物に入ってる病院の処方箋は全て合算しなさい!」って内容↓

調剤基本料2_医療モール今まで(左)は、内科・眼科・外科、それぞれ別として処方せんをカウントしたが、2018年度(右)からは薬局と同じ建物に入ってる病院は合算する。

④は、大病院門前の薬局。大きい病院の前だと『プジキ薬局1号店』、『プジキ薬局2号店』みたいに、同じグループ(法人)で2店舗だしてる場合がある。

これは、他の薬局が出店してくることを防止するためと、集中率や処方せん枚数の分散ができるので、お金のある企業では有利な作戦だった。

しかし! 2018年度からは、「大病院前に同一法人で2店舗出してる場合、処方せんを合算しなさい!」という内容に変わる↓

調剤基本料2_大病院門前今まで(左)は、同一法人の別店舗であれば『別の薬局』であったが、2018年度(右)からは同一法人の別店舗の場合でも処方箋を合算する必要がある。

ちなみに③、④に該当するかどうか、レセコンですぐに分かるのだろうか(汗 ③に関しては、「医療モールフラグみたいな印をつけた病院の処方箋を合算してカウントする」という処理でいけそうだけど、、、④はレセコンでカウントするの無理じゃない?

レセコン会社がどんな対応を入れてくるのか、個人的に楽しみだ!

 

調剤基本料3 イ(20点)の算定要件は?

 

算定要件

【前提】同一グループの薬局の処方箋受付回数の合計が1カ月に4万回以上40万回以下のグループ【変更】

  1. 特定の保険医療機関からの処方割合が85%以上【変更】
  2. 特定の保険医療機関と不動産の賃貸借関係にある薬局【継続】

同一のグループで薬局の処方せん受付回数が4万回以上から40万回以下のグループに対して設置される調剤基本料。

 

念のため、『同一グループ』とは、どういった関係性になるか復習しておくと、こんな感じ↓ ※厚労省の『届け出に関する手続き』から抜粋

同一グループの保険薬局(財務上または営業上もしくは事業場、緊密な関係にある範囲の保険薬局をいう)とは、次に掲げる者のすべての保険薬局とする

  1. 保険薬局の事業者の最終親会社等
  2. 保険薬局の事業者の最終親会社等の子会社等
  3. 保険薬局の事業者の最終親会社等の関連会社等
  4. 1から3までに掲げる者と保険薬局の運営に関するフランチャイズ契約を締結している者

 

これ、税金対策などの理由で別法人としていくつもの薬局を持っている場合でも、『同一の経済状況である法人』を1つのグループとしてみなすことになる。別法人であろうと、経済的につながりがある場合はダメってことですな!

しっかし、ずっと思ってるんだけど、フランチャイズも該当するっていうのは厳しいよねー。。。

 

 

調剤基本料3 ロ(15点)の算定要件は?

 

算定要件

【前提】同一グループの薬局の処方箋受付回数の合計が1カ月に40万回以上のグループ【新設】

  1. 特定の保険医療機関からの処方割合が85%以上
  2. 特定の保険医療機関と不動産の賃貸借関係にある薬局

1カ月間にグループ全体で40万回以上の処方箋をうけつける場合の調剤基本料で、2018年度から新設された点数。 チェーン対策の一環ですな。

ちなみにどれぐらいの店舗数がある薬局なのか、試しに計算してみるとこんな感じ↓

▼1月に40万回こえるための必要店舗数

・1年間のすべての薬局での処方せん受付枚数:約8億枚 (厚労省より引用)
・全国の薬局数:薬58,000店舗

8億枚÷58,000店舗≒13,800枚・・・①(1店舗当たりの1年間の平均処方枚数)

①の枚数は1年分(12か月)なので、1か月あたりの処方せん枚数を出すために12で割ると、
13,800枚÷12か月=1,150枚・・・②

1店舗当たり、1カ月の平均処方箋受付回数を1,150とすると、1月に40万回(枚)超えるのに必要な店舗数は、
40万枚÷1,150枚=348店舗

ザックリとした計算でいくと、同一グループで300店舗を超えてくると調剤基本料3に引っかかってきそう。

300店舗を超えるチェーン薬局というと、2017年の薬局売り上げランキング7位の阪神調剤(329店舗)、8位のアイセイ薬局(317店舗)辺りから怪しげですね。 ※数値は2017年度の有価主権報告書、企業HPを参考。

逆に、大多数の薬局は40万回を超えないので、調剤基本料3のロは無視して良いレベルですね。

 

特別調剤基本料(10点)の算定要件は?

 

算定要件

病院である保険医療機関と不動産取引など特別な関係がある薬局で、その病院の処方箋が95%を超える【新設】

「特別な関係って何やねん!」って話なんだけど、これは門内薬局を想定した要件。 大病院の敷地内にある薬局ですね。

一応『95%を超える場合』と条件らしきことが書いてあるけど、門内薬局で集中率が95%を下回ることなんてあり得ないだろうから、、、まぁ門内薬局は10点だね。

 

妥結率により減算される要件は?

 

減算要件

次のいずれかに該当する保険薬局は、所定点数の100分の50に相当する点数(1/2)で算定

  1. 妥結率が5割以下であること。
  2. 医薬品の取引価格の妥結率、単品単価契約率及び一律値引き契約の状況を、厚生局に定期的に報告していない場合。
  3. 薬剤師のかかりつけ機能を1年間実施していない薬局。ただし、処方箋の受付回数が1月に600回以下の保険薬局を除く

今回の減算ポイントは3点ある。順にみていこう。

 

前回からの継続で、『妥結率5割以下』の場合に減算される。まぁ、これは説明しなくても良いっすよね。

 

②で新たに加わった文言ですが、定期的に厚労省へ報告していない場合もペナルティを食らうことになる。

これは、厚労省へ報告していなかった薬局が相当数いたのか、卸との過度な薬価交渉を止める目的で付け加えられたのだと推測する。

 

③は、『かかりつけ薬局の基本的な機能』から『薬剤師のかかりつけ機能』と書き方が変わっている。

『対薬局』から『対薬剤師』とマイナーチェンジをしとるのです。 「薬剤師のかかりつけ機能って何!?」ってのは、詳しくはこれからのQ&Aしだいになるんだろうけど、かかりつけ薬剤師の算定回数とかで見られるのかしら。。。

 

最後に。。。

重要なことを伝えるのを忘れてたので、お伝えしやす。

 

特例除外は廃止!

 

今までは調剤基本料2・3の場合に、免除される特例(かかりつけ:月100件以上)があったけど、無くなることになった。

「そしたら、特例除外のために頑張ってたかかりつけの件数目標は無くなるのか!うひょー!」とか思うと、今後は逆にペナルティの方にかかりつけの要件が設定されているので、引き続きかかりつけを算定する必要はある。

 

とにかくまずは調剤基本料1を算定して、減算規定に引っかからないよう妥結率やかかりつけを算定することが重要になるね!

皆さん、、、一緒に頑張りましょう!(و`ω´)و

 

関連する疑義解釈の一覧

疑義解釈 その1(平成30年3月30日)

問1
特定の保険医療機関に係る処方箋による調剤の割合を算出する際に除くこととしている、同一グループの保険薬局の勤務者には、保険薬局に勤務する役員も含まれるか。また、例えば本社の間接部門の勤務者等についても、含ま れるか。

(答)
同一グループの保険薬局の勤務者には役員を含める。また、間接部門の勤務者等でも、保険薬局業務に関与する部門の勤務者であれば含める。

 

問2
特定の保険医療機関に係る処方箋による調剤の割合(処方箋集中率)について、「特定の保険医療機関に係る処方箋の受付回数(同一保険医療機関から、 歯科と歯科以外の処方箋を受け付けた場合は、それらを合計した回数とする。)を、当該期間に受け付けた全ての処方箋の受付回数で除して得た値」とされたが、以下の場合の当該保険薬局の処方箋受付回数と集中率はどのように算出することになるか。

保険薬局の1年間の処方箋受付回数
A医療機関(歯科以外)   2,000 回
A医療機関(歯科)       100 回
A医療機関以外         20,000 回
※ A医療機関が最も処方箋受付回数が多い

(答)
処方箋受付回数について :2,000 + 100 + 20,000 = 22,100 回 となる。
処方箋集中率について  :((2,000 + 100)/22,100)× 100 = 9.5% となる。

 

問3
調剤基本料の「注9」の医師の指示に伴う分割調剤について、例えば、分割指示が3回で、1回目は時間外加算の対象、2回目は時間外加算の対象外、3回目は時間外加算の対象の場合、どのように算定することになるか。

(答)
それぞれの分割調剤を実施する日に、当該処方箋について分割調剤を実施しない場合に算定する点数(調剤基本料及びその加算、調剤料及びその加算並びに薬学管理料)を合算した点数の3分の1に相当する点数を算定する。したがって、調剤時に時間外加算の要件を満たす場合には、当該加算も合算した点数に基づき算定することになる。

【具体例】
(90 日分処方 → 30 日×3 回の分割指示、調剤時には一包化を行う)  ※薬剤料は調剤した分を算定

〈1回目〉
・調剤基本料                 41 点
・地域支援体制加算          35 点
・調剤料(2剤の場合)    172 点(90 日分)
・一包化加算                220 点(90 日分)
時間外加算             248 点
・薬剤服用歴管理指導料     41 点
⇒合計:757点 × 1/3 = 252.333≒252点+薬剤料(30日分)

〈2回目〉
・調剤基本料                 41 点
・地域支援体制加算          35 点
・調剤料(2剤の場合)    172 点(90 日分)
・一包化加算                 220 点(90 日分)
・薬剤服用歴管理指導料     41 点
・服薬情報等提供料1        30 点
⇒合計:539 点 × 1/3 = 179.666≒180 点+薬剤料(30 日分)

 

〈3回目〉※時間外加算を含めて合算する。
・調剤基本料                 41 点
・地域支援体制加算         35 点
・調剤料(2剤の場合)    172 点(90 日分)
・一包化加算                 220 点(90 日分)
時間外加算              248 点
・薬剤服用歴管理指導料    41 点
・服薬情報等提供料1        30 点
⇒合計:787 点 × 1/3 = 262.333≒262 点+薬剤料(30 日分)

 

 

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