こんにちは。現役薬剤師のプジキです。
2019年8月19日、きたる消費税が増税になる2019年10月からの診療報酬&薬価改定の内容が、官報告示されました!(外部リンク:令和元年度診療報酬改定について)
どんな改定内容になるのか、厚労省の掲載内容を元にポイントをまとめます。
- 調剤報酬(診療報酬)の改定内容
- 薬価改定による薬ごとの価格変動(まとめたエクセルデータあり)
- 増税を考慮した上での絞る在庫・増やす在庫
特に注意したいのは薬価の改定に関して。
薬価がどのように変化するのかを見つつ、増税を考慮にいれながら、数を絞る在庫とそうでない薬の選別が必要になる。
残り1カ月ちょっと(2019年8月19日現在)しか残っていないので、この記事で改定内容をサクッと確認し、すぐに在庫整理に取りかかりましょう。
自分も記事を書きあげしだい、すぐに取り掛かります( ✧ω✧)
調剤報酬は一部項目に点数を上乗せ。1~2点UP
調剤報酬は一部の項目に対して1点が上乗せされる。調剤料は2点(一部例外)のUP。具体的には下記通り。※点数の記載は『改定前→改定後』です。
- 調剤基本料1 41点 → 42点
- 調剤基本料2 25点 → 26点
- 調剤基本料3イ 20点 → 21点
- 調剤基本料3ロ 15点 → 16点
- 特別調剤基本料 10点 → 11点
- 一包化
42日分以下 32点 → 34点 (投与日数7日ごと )
43日分以上 220点 → 240点 - 注射薬
中心静脈栄養法用輸液 67点 → 69点
抗悪性腫瘍剤 77点 → 79点
麻薬 67点 → 69点 - 注射薬(6歳未満の乳幼児)
中心静脈栄養法用輸液 135点 → 137点
抗悪性腫瘍剤 145点 → 147点
麻薬 135点 → 137点
かかりつけ薬剤師包括管理料 280点 → 281点
参考診療報酬の算定方法の一部改正する件(令和元年8月19日 厚生労働省告示第86号)
上記以外の項目は据え置き。特に影響があるのは基本料と一包化ですかね。
基本料や2018年度の調剤報酬に自信がない方は、こちらの解説記事を併せて確認してみてください。
薬価は全体ではマイナス。該当品目をチェック
薬価の全体としてはマイナスとなってますが、当たり前だけど品目ごとに高くなるものと安くなるものが分かれている。
ザックリと種類で区別すると次のようになる。
(1)薬価が高くなる医薬品種類
- 新薬創出加算品・適応外薬解消等促進加算品
- 基礎的医薬品
(2)薬価が安くなる医薬品種類
- 長期収載品
- 後発医薬品
上記は業界話のネタとして押さえておけばOK。それよりも大事なのは「薬ごとに薬価がどのように変動するのか?」ですよね?
厚労省の以下のページに、各医薬品ごとの新薬価が書いてある。
これ、見てみるとわかるけど、新薬価しか記載されてなく旧薬価との比較ができないことと、PDFなので扱いにくい。
そこで、このデータをもとに新旧の薬価も比較するエクセルを作成しました。
CHECK2019年度薬価比較表(クリックでダウンロードできなければ右クリックしてください)
気になる商品を探して薬価変動の参考にしてみてください。探しかたが分からない場合、エクセルを開き『Ctrl+F』を押して、確認したい商品名を入力すると、検索できます。
ただ、検索しても薬価が不明の商品がいくつかあります。というも今回、厚労省のデータをもとに加工してますが、一部の医薬品に関しては他の機関が出しているデータも参考にしないと分からないものがあります。
他のデータとの合体は手間と時間がかかるため、スピードを優先し厚労省のみで分かるデータとなってます(汗
ちなみに、ダウンロードしたエクセルデータは、以下のように色分けしてある。

ちょっと補足説明しますね。
- 現在の薬価と比較し、薬価が高くなる薬を薄い赤で、薬価が安くなる薬を薄い青で色分けしてます。
- 『変動率』は、現薬価と新薬価の変化割合が計算してあり、白色の薬は在庫を絞り、黄色の薬は買いまくるべき商品です。
②に関して、何を根拠に決めたのか。それは次の章で解説します。
在庫整理のポイントは変動率が98%
薬価の改定では、基本的に以下をポイントとして在庫を整理する。
- 薬価が高くなる医薬品は、旧薬価のうちに買いまくる
- 薬価が安くなる医薬品は、在庫を絞りまくる
しかし、今回は消費税の変更が絡んでくる。2019年9月末までは消費税は8%だが、10月になった瞬間に10%と、2%高くなる。
そのため、薬価が少しだけ安くなる商品に関しては、増税マジックにより、旧薬価のうちに買いまくった方がお得な医薬品がある。
それが、変動率98%(正確には98.182%)までの商品である。計算の根拠も書いておくけど、数式みるもの嫌なひとは飛ばしてOK。
■計算式
・薬の薬価=A、変動率=X と仮定。 (※新薬価=AX となる)
・現在の購入価格=1.08A 新薬価での購入価格=1.1AX
新薬価の購入価格が現在の購入価格よりも高くなる変動率を算出
1.1AX>1.08A → X>0.981818・・≒.98182(98.182%)
★変動率が98%以上の薬は、現在の購入価格の方が安い!
黄色セルの商品(変動率が98.18%以上)については、お金の許す限り購入してしまうのが◎。
ただ注意したいのは、2020年3月にも薬価改定を控えているので、それまでに消化できる在庫量とするべき。
2年分とか購入して、次回の改定で『薬価下げまーす』なんてことになったら、目も当てられなくなります。。
以上、2019年10月の調剤報酬・薬価改定についてまとめました。これを参考に、早めの在庫整理をいっしょに頑張りましょう(و`ω´)و
薬局に関する勉強に便利なサイト
最後に、私がブログを書くときの記事ネタを探したり、情報収集に活用しているサイトの『m3』をちょっとだけご紹介。
m3は、薬局に関連性のある最新情報を国内外問わずにまとめて確認できるため、効率的に知識を補えるので助かっている。
一例ですけど、こういった情報が毎日更新される↓

こう、非常に興味をひかれるコンテンツが豊富。それで、毎日更新される。 なので、毎朝の通勤時間でサッと記事のタイトルだけ見ておけば、「え、知らないの?」といった取り残されるリスクが無くなる。※アプリがあるので便利。
閲覧するためには登録が必要なんだけど、お財布にやさしく登録費が無料。登録時に入力する内容は名前とか生年月日などで、「1分」あれば登録ができる。
なので、登録するか悩むぐらいなら、その悩んでる時間で登録完了する。
あと地味に嬉しいのは、サイト内の勉強動画を見ると『m3ポイント』なるものが貯まり、『Amazonギフト』と交換できる。情報収集しながらお小遣い稼ぎできるのが一石二鳥。
他の薬剤師向け情報サイトでは有料登録しないと読めないネタが、m3で掲載してることもあるので、登録して損は無いというか、「使わないのが損」な貴重なサイト。
すべての薬剤師に自信を持っておススメできるので、他の薬剤師に差をつけられる前にぜひ活用してみてください(و`ω´)و
公式サイトm3
【答え】継続的な勉強
2019年5月に厚労省が出した薬剤師の需要と供給についてのレポートをご存知ですか?
これ簡単に言うと『すでに薬剤師が余り出している』という内容が書いてある。需要を上回る数の薬剤師がいるそうだ。
突然ですが、最近の新卒の採用事情はご存知ですか?
調剤薬局やドラッグストアは、昔はそれこそ薬剤師の資格を持っていれば即採用というぐらい簡単でした。
でも今はちがう。優秀な成績の薬剤師に絞り始めていて、成績が悪い薬剤師は採用しない。
この流れが、じわじわと中途採用にも来ています。なぜそんなこと分かるかというと、これでも薬剤師の採用を担当してますから、動向はチェックしてるのです。
薬剤師が飽和していく未来に対し、すこしでも質を高めて需要の高い人材となるため、ぜひ日々の勉強に役立ててください(و`ω´)و


















