サラリーマンなら一度はされてみたい『スカウト』。もちろん、薬剤師だってサラリーマンなんだから、「俺、ヘッドハンティングされたんだよね~」という自慢にあこがれを感じるはず。
そう、この前スカウトされたんです。
スカウトって、ただの都市伝説だと思っていたけど、本当にあるんですよ。それも、3回目(笑) いつも無視していたけど、「ブログのネタになるのでは!?」と思って、今回はスカウトの担当者と会って話してきた。
あれやこれや根掘り葉掘り聞いてきたので、スカウトの流れやヘッドハンターとどんな話をするのか、仲介会社とスカウト会社は何が違うのか、おもう存分ネタにさせていただく。
まさに薬剤師のスカウトを受けたあなたや、「スカウトってどんな感じなの!?」と興味津々なあなたは、ぜひ参考にしてみて欲しい。
※今回の「スカウト」とは「ヘッドハンティング」のことです。転職会社の「スカウト」サービスのように自分で登録するのではなく、急に連絡がくるやつです!
も く じ
どのようにスカウトされるの?
『スカウト』といえば、よくテレビでモデルが「原宿に遊びに来たら、偶然、声を掛けられたんですよー!」というシーンが思い浮かぶ。
じゃぁ、薬剤師のスカウトと言えば。
服薬指導をしようとした患者が実はスカウト担当者で、「プジキさん、わたくしこういう者でして、あなたの服薬指導は素晴らしいから、ぜひうちの会社に。。。」
といったことは断じてない。
「薬局に押しかけてきてスカウトの話を持ち掛けられる」といった派手な交渉は無くて、電話や手紙で連絡がくるのだ。
始まりは知らない電話からの着信

店舗でせっせこと働いていたとき、じぶんの携帯が鳴りだした。 仕事関係であれば会社の携帯に連絡がくるので、「なんだなんだ、町内会の連絡か?」と番号を見ると、知らない番号(携帯)が表示されていた。
「また、なにかの営業かしらー。。。」とめんどうに思いながらも電話に出てみる。
とある企業様より、管理能力のある薬剤師を探しているとの依頼を受け、プジキ様のスキルが高いとお聞きし、突然ながらお電話をさせていただきました。
『スカウト』と言われるとテンションはあがる
突然の電話にでてみたら、「能力の高いプジキさんをスカウトしたい」と言われた。
スカウトの電話を受けるのも3回目だから、営業トークだということは理解している。 けど、犬もおだてりゃ木に登るわけで、ほめられて顔がにやけるw 「能力の高いプジキさん」って書いたところも青く塗って目立たせた。
で、どんな会社の求人でどんな人材を探しているのか詳しく聞いていくと、
- 関東で複数店舗を展開しているチェーンで経営層を担える人材を探している。
- 最初は部長職からスタートし、ゆくゆくは役員も考えている。
- 薬局以外の業務も行っているので、やる気の高い人が欲しい。
というのが条件。 これ以上の情報は実際にお会いして説明したいと言われ、教えてくれない。
今回はスカウトを体験することが目的なので、会話の流れで担当者と会う日程を決めた。 それに、もしよさげな会社だったら転職も検討しちゃおうかなーっていう下心も込みで。
実際にスカウト会社の担当者と会ってみた
担当者とは2日後に会うことに決まった。仕事終わりに職場近くまで来てくれるとのことだ。
ただ、スカウト会社と密会しているところを職場スタッフに見られるのは何となく気まずいので、少し離れた場所が良いと伝える。
待ち合わせは高級ホテルのカフェ
名前は伏せるけど、××ホテルはいわゆる高級ホテルに分類される。 どれだけ高級かというと、カフェのコーヒー1杯が1,000円もする。
ふだんは100円の缶コーヒーを1日1本と決めて飲んでるから、10日分に相当する。なんかこうね、格差を感じるよね。。
みじめな気持ちは置いておいて、、、高級ホテルが待ち合わせ場所として使われるのは、スカウト会社の策略の1つである。
高級ホテルの高級カフェで「能力が高いあなたを欲しがっているんですよ」と言われると、非日常な雰囲気に酔いしれて「あぁ、私ってやっぱり特別なのねっ!」と思い込んで、ついついOKしちゃうようになるんだと。
とあるビジネスマン向けの記事で、保険会社のトップセールスの人が「高級ホテルを交渉場所として使う理由は、特別感を演出するためだけに使ってるんですよー。成約率があがるんですよね。」と語っていた。
うん、デートに高級ホテルつかうのも「お前は特別なんだぞ」感を演出するためですもんねw
始めてそういった場にいくと、空気感にのまれて正常な判断ができなくなるケースもある。高級な場所を待ち合わせ場所に指定されても、「これはスカウトを成功させるための罠なんだ」ぐらい自分へ言い聞かせてから担当者と会いましょう。
どうやってプジキの携帯番号を知ったの?
スカウトの担当者と挨拶をかわす。物腰は柔らかいけど、できるオーラをビンビンに感じる人だった。
挨拶が終わるとスムーズに会話へ移行する。雑談をしながらも、時々ジャブを打つかのように聞きたいことを織り交ぜてくる。例えば仕事に対する考え方とか、現在の職場に満足しているのか、やりたい業務はないか、などなど。
ひとしきりプジキの情報を集め終わると、いよいよ本題にうつる。電話で教えてもらっていた薬局について詳細を教えてもらう。
教えてくれたのは、転職した場合についてもらいたい職務について詳しい説明のほか、従業員の数や具体的な店舗数、転職した場合の給与や労働条件。ただ、薬局名については実際に転職を決めて貰えないと教えられないと言われた。
薬局に関する説明も終わり、「今度はコチラのターンだ!」ということで聞きたいことをぶつけることにした。まず最初に気になっていたこれ↓
ちょい!個人情報!
昔いっしょに働いていた誰かが、プジキの電話番号を教えたそうだ。あくまでご紹介という形らしいけど、いつどこで個人情報がもれるのか分からないもんだ。。。
転職会社とスカウト会社の違いとは?


つぎにぶつけた質問は、「通常の転職仲介する会社とスカウト会社ではいったい何が違うのか。」という一番聞いてみたかった内容。
担当者は人柄が良いのか、嫌な顔せずていねいに教えてくれた。
仲介手数料が2倍だと!?
まず、転職を仲介したときに貰える手数料が、通常の仲介会社の2倍なんだと!
ふつう転職の仲介をすると、転職者の年収の30%~35%が仲介会社の手数料として得られる報酬になる。これが2倍の60~70%になるとはエグイ手数料。
- 通常の仲介会社:500万円×30%=150万円
- スカウト会社 :500万円×60%=300万円
おぉぉ、これは個人情報を集めてでも転職仲介をさせたくなる手数料(笑)
テクニカルな交渉術が要求される
仲介料は魅力的だけど、通常の転職仲介会社とはちがいスカウトは転職する気が無い人を転職させようとするのだから、そもそも仲介が成立しない場合が多いんだと。
また、高額な手数料を支払ってもらうので変な人は紹介できず、現在の職場でエース級の人、仕事ができる人を転職させなければならない。そんな百戦錬磨なビジネスマンと交渉を進めるので、高い交渉術が必要だそうだ。
さらに、そんなエースな人を転職させるとなると、現在の職場で必ずと言っていいほど引き留められるので、もともといた会社のケアもサポートするそうだ。たくさんのノウハウを持っているらしく、もめることなく退職までもっていくんだって。
転職の成功確率が低いし、タフな交渉や転職者への手厚いサポートが必要になるので、手数料が高くなるんですな。
なんども転職をしてるし、今は薬局の採用担当ということもあって転職エージェントたちとはたくさん会話をしている。
その人たちと比較すると、確かに目の前の担当者はコミュ力が高く、こちらの気分を害さぬよう話を進め、ここぞというタイミングで質問を投げかけてくる。能力の高さがうかがえる。
スカウトは「ストック型」、転職仲介は「フロー型」
転職者に対する考え方も違い、スカウトは「ストック型」、転職エージェントは「フロー型」と呼ぶんだって。
スカウトの場合、優秀といわれている人にドンドン合うことで人材を『ストック』する。
そして、スカウトを希望する企業から依頼がきたら、経営者の求めにぴったりな人材を、ストックの中から能力や志向が合っている人を候補者として紹介するそうだ。
いっぽうで、転職エージェントの場合は転職したい人が仲介会社に登録するところから始まる。そして、求職者の希望に合う会社をエージェントが紹介する。最初の紹介が合わなければ、次の会社を紹介する、といった流れだ。
このように人をどんどん流動させるので「フロー型」と呼ばれるそうだ。
そして今回のスカウトはお断りした
聞きたいことも終わり会話が一区切りついたタイミングで、「今回のお話、プジキさんはいかがしましょうか?」と確認された。
転職先の仕事内容をきいてもワクワクしなかったので、お断りさせていただいた。ぶっちゃけ、「ストック」の話をきいた直後だったから断ることに罪悪感はなかったし、担当者も全然きにしていない様子だった。
そして、1杯千円のアイスコーヒーをおごってもらい解散となった。
その後スカウトされてからしばらく経つが、営業電話はこない。初めてのスカウトで人生の経験値を上げることができたにも関わらず、うっとうしい思いをしないで済んでいる。
ストックすることが目的であるスカウトの場合、しつこい電話は無いのが普通なのかもしれない。
スカウトといわれれば悪い気はしないし、自分のタイミングがあえば飛び込んでチャレンジしてみても良いでしょう。
しかしガチで転職するとなったら、自分が楽しめる仕事内容であったり、給与(とても大事)や休日なんかを含めた労働条件を妥協したくないですもんねー。
もし転職を少しでも考えているなら、薬局で採用担当をしている私の経験と知識を詰め込んだ以下の記事を参考にして、好条件を勝ち取ってください(و`ω´)و
【答え】継続的な勉強
2019年5月に厚労省が出した薬剤師の需要と供給についてのレポートをご存知ですか?
これ簡単に言うと『すでに薬剤師が余り出している』という内容が書いてある。需要を上回る数の薬剤師がいるそうだ。
突然ですが、最近の新卒の採用事情はご存知ですか?
調剤薬局やドラッグストアは、昔はそれこそ薬剤師の資格を持っていれば即採用というぐらい簡単でした。
でも今はちがう。優秀な成績の薬剤師に絞り始めていて、成績が悪い薬剤師は採用しない。
この流れが、じわじわと中途採用にも来ています。なぜそんなこと分かるかというと、これでも薬剤師の採用を担当してますから、動向はチェックしてるのです。
薬剤師が飽和していく未来に対し、すこしでも質を高めて需要の高い人材となるため、ぜひ日々の勉強に役立ててください(و`ω´)و






















